ナミゾウカンパニー 気象部

みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。

照る日曇る日、ザザ降りの雨天。逃げ切れることのない天候との付き合いで我々はこの世を生きていきます。

日経新聞の日曜版には「なやみのとびら」のタイトルで毎週相談と回答が載ります。いくつも脚本を担当されたドラマを観た記憶のある、「大石 静」氏が回答者の週でした。老いていく現実を前にこの先何を楽しみにすればよいのか、ただ虚しいのですと相談者に問われて書かれていたことです。

この世界に楽しいことがいつも落ちているわけではない。みずから探しにいくもの。第一この世を生きることそのものの大半が、がっかりとウンザリにあふれているのだから、ごくわずかに訪れるワクワクを楽しむしかないのです。と回答されていました。

大石氏の哲学は諦観をはっきり持たれていると、他の場所で読んだもので知っていました。この回答を読んで、突き放されている感情は持ちません。フラットになります。

個人の能力、友人からの人望ともにかなりの薄味のため、日々ワイワイ楽しいことが起きてはいません。むしろ、今付き合いのあるわずかな友人を失う日が来たら、家族以外の交流がゼロになるんだなと恐れています。

救いがあるのは、笑いのセンスもまたしょぼいことです。もう数十年前のあれこれを覚えていて、心から繰り返し笑えるのです。

アミゾウ(子)が高校時代のこと。サッカー部のマネージャーをしていた彼女に聞いたのが、同級生の一言。

「マッスん、どうやら一年間留学するって決まったらしい。かわいそうや」

としみじみ言うので、アミゾウはマッスんがホームシックになるだとか、馴染めないかもしれないだとかそういう心配から言っていると思ったら続く言葉が、

「また機内食を食わなアカンねんで」

と彼が言ったそうです。それがキミの気になる大問題なの。と笑い転げてしまい、以来彼は私の中で「Mr.機内食」になりました。何度思い出しても面白く、他人の頭の中というものはお互い様ながら、ワンダーランドです。

トイレで用足しをしているときに頻繁に思い出して、これまた何度でもそのシーンを想像して笑うことがあります。タレントの「小堺 一機」氏がまさかそんなはずはないでしょと、我が目を疑い、次に激しく困ったこと。のお題に沿ってご自分の経験を話していました。体全体を使う話芸の持ち主です。

「慌ててトイレに入って大の用足しをしてから、ああやれやれ。フとペーパーホルダーを見ると。紙が無い。そうか補充用のロールがどこかに。と個室内をキョロキョロ見るも、無い」

聞き手が、それは困った、どうしたのかと続きを聞きます。

「あのね、ペーパーの芯あるじゃない。あれをさ、もうせっせと揉んで揉んで」

使ったそうです。こういう切実ではあるものの、くだらないことでいつまでも笑える我が身をたたえたいと思います。気分の雲も少しだけ消えます。

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