ナミゾウカンパニー セカンドプレイス部-14

みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。

気候が変化してきて35度を超える気温が珍しくなくなりました。

アルバイト先は食材販売ではなく、加工食品を扱っています。飲料も持ち帰るお客様があり、氷を入れた飲み物の注文が多い毎日です。

応募の段階では店内清掃と、お客様への商品を手渡しするサポート係の仕事内容を希望しました。しかしランチタイムはラッシュアワーになり、シニアのわたしでも猫よりましなのか、それらの飲料を作成する場所へ呼ばれました。次々と注文の品がモニター上に現れます。先輩スタッフは一秒以下の速さでそれらを捉え、視界の端で2項目先のオーダーまで準備していきます。

わたしはといえばようやく容器サイズの名称や、それらの定位置を覚えかけた段階で、とてもじゃないですが確認して棚から出し、また確認し、カウンタースタッフさんへ声掛けをする流れに乗れませんでした。

ただでさえ全員集中の繁忙時間帯に質問することすらためらわれ、それでも間違いがあればそこで業務が止まるのでピリピリし続けます。

お客様が少なくなったころ、マネージャーから、

「ナミゾウさん。烏龍茶を冷蔵ケースにストックお願いします。それができたら元の持ち場に戻って清掃をお願いします。」

「はい」

と元気よくその場を離れたものの、倉庫へ向かう通路を歩きながら、あれ❓飲料の在庫場所どころか店舗内の冷凍冷蔵庫の場所すら教えられていません。戻って確認するのか。いやいやあの慌ただしさの最中に聞けない。困ったなと思いながらそれでも歩を進め、スーパーや家庭では常温保存しているけれど、ここでは冷蔵販売しているのだからきっと食材棚ではなく、しかも冷凍保管もありえないだろうから、冷蔵庫を探しました。幸いなことに庫内照明のスイッチが壁にあったため冷蔵庫をすぐに見つけられ庫内も整頓されているので商品も発見できました。

確かに新規開店の店舗ですし、わたしが希望する勤務時間帯がランチタイムですので、要点を教える時間すら惜しいかもしれません。ですが、店舗内のストックルームや、備品の案内を一周でいいから教える時間をとってもらいたいなとつくづく思いました。

簡単なことをきつい口調で言われるといちいちびくびくする弱点があり、どうにか叱られないよう、間違いを繰り返さないよう気にしすぎて、業務そのものよりもそっちに神経がまいってしまいます。

わたしがここで給料をいただいているのはどこからか。それはお客様からいただく代金から。ですから一番はお客様に不快をもたらさないことと思い、何度目かの出勤日にゴミ袋の交換をしながら考えたこと。行動して注意され、見逃して注意されてしまう現実は、各先輩の見ているポイントの違いのようです。彼彼女たちの熱意も本当でしょうが、まずはお客様に注意を受けないよう先回りできそうな仕事だけはしようと。

そう思いついてもよく通る声でビシビシ言う先輩スタッフに睨まれるとシュンとしてしまっていた時に楽しい一瞬がありました。

ふざけていたわけでも、私語で時間潰しをしていたのでもないのにそこばかりにいないで、他の作業にまわってくださいと、言葉使いは丁寧ながらも明らかに[怒気]が混ざっている指示がカウンタースタッフから飛んできました。その時同輩ですが、きっと年齢はわたしよりややお姉さんのカオリさんが、

「うるさいなぁ、アイツ」

と表情ひとつ変えずに言い放ったのです。プ、と吹きそうになるのをこらえ、

「なんなんですかねぇ。遊んでるんじゃないのに。だけどわたしキッチンに呼ばれたとき、もっと怖い人がいて」

と言い終わらないうちにカオリさん、

「あーあーわかるぅ。あのひとな。きっつぃよな」

この短いやり取りでスッキリし、ともだちになれなくても現場で同調し合える仲間がいることはこんなにも楽しいのかと思えて、体はあちらこちら痛いのですが、その日の退勤後は少し気楽でした。

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