ナミゾウカンパニー セカンドプレイス部-19

みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。

明確な目的意識を持つことなく応募し、運よく採用に至ったアルバイト勤務も在籍期間が10ヶ月を超えました。圧迫骨折を負ってしまい、休職した時期を差し引いても半年は続けられてきました。ハミゾウ(オット)との二人暮らし、それでも家事担当主任者ですから日々我が事以外に用事はあります。できれば日がな一日ダラダラしていたい性分ですので、そんな我が身が契約通りに勤務できるのか、実に心許ないなと思いながらなんとかここまできました。

ハミゾウ(オット)は老妻が同音異議の通りに労災状態になってまで、働きに行かなくても・・・の態度です。強く止めもしませんが、さりとて賛成も応援もしません。こちらは彼への意地で行くわけでもなく、どうにか家庭以外の場所で考えを深めてみたいと思いついただけ、希薄なきっかけからのスタートです。

アルバイト先のスタッフ構成は高校大学の学生さんがボリュームゾーンですが、フードサービスの会社としては歴史があるそうで、かつてそのゾーンでアルバイトを経験し、年齢を重ねて再び働きにこられている方々も多いのです。したがって経験値のベースが高い。スポーツ、各種技能全てにおいて言える、基礎力を持っています。アップデートされているプロトコルもありますし、現代における適切なオペレーションも覚えていかなくてはならないようで、現在指導されてくれている先輩スタッフは一度私の疑問点を全て聞いてから助言をくれます。

どうにか繰り返し尋ねないようにとキャンパスミニノートに書いては帰るのですが、お客様に向かうとそれらが脳からすっ飛んでしまい、狼狽すること多々。大失敗はしないのですが、細かい作業規定の順番や、備品の位置、それらがスムージー状態になるときもあります。短時間の労働の後ユニフォームから私服に着替えて退室しようとしていて、壁面にあるスタッフ同士のコミュニケーションボードをぼんやりみていると私の名前もありました。当たり障りのない〇〇さんのこんなところがステキです、の文言だろうと思い、初めてじっくりと読みました。

偶然スタッフルームには私以外の誰もおらず、途中から疲れと空腹も手伝って涙が出てきました。走り書きでキャンパスノートに書き写し、iPhoneカメラでその文章を撮影しています。

働き始めてからまだ1ヶ月と少しだったと覚えていますが、全員野球の忙しい現場で誰に聞いていいのか分からずそれだけでオロオロ、手元の暇なスタッフも社員さんも見当たらず話しやすそうに見えた先輩男性をつかまえ、コーヒーのこれは何か、氷を運べと言われたが分からないなど、聞き続けました。彼は一度も嫌そうな表情をせず、

「何回でも何度でも聞いてくださいね。ボクもいまだにミスすることがあるんですから」

とフワーッと言ってくれました。もうこうなったら彼は刷り込み効果における私の職場での「親」です。残念ながら勤務帯も違えば、作業内容も高度なので姿を見ない日も多く、ガチャ回しの日々でした。

私にとっての悲劇は骨折から復帰し、ようやく動けるようになった頃彼の退店を知ったことです。24年3月末を持って転職されたのです。3月の上旬にあった送別会では彼自身も落涙していましたが、ナミゾウばぁさんも泣きました。BGMのGReeeeN「遙か」も涙腺ダム決壊になるアカん要素でした。チャンスがあればと思いスターバックスのハミングバードプログラムカードを用意して参加し、幸運にも休憩に立った時トイレの前で鉢合わせ、渡すことができました。

彼の前途にずっと青空が広がっているといいなと願っています。彼が書いてくれていたthank youカードには次のような内容が丁寧な書字で書かれていました。

「for ナミゾウさん。ほんとうに勤勉な方で同じことを何回も聞くことに対してものすごく申し訳なさを感じられていたと思いますが、正直ここまで全力で何かを覚えようとしていたスタッフに今まで出会ったことがなかったですし、教えていて一番やりがいを感じていました。なので。何回も同じことを聞くことに後ろめたさを感じないでください」

ありがとうございました。一期一会だと身に沁みています、S.Mi様。

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