みなさま本日のごきげんはいかがでしょうか。
働いているアルバイト先ではクローズドのキッチンではなく、フロアで商品をお渡ししたり清掃をする持ち場にいます。昨年先輩スタッフによる検定日があり、その際に笑顔が少ないことと、目を見開くくせとお客様に聞き返す動作は良くないので改善してくださいと指摘されてからは、十分気をつけるようにして働いてきました。
先日日経新聞に、クリエーションのコンペティション[カンヌライオンズ]について記事が掲載されているのを見つけじっくり読んでいき、馴染みのあるロゴマークが目に入りました。短期大学時代に同級生がアルバイトをしていて、聞いたことがある決まりのこと。
「あのな、スマイルは¥0やねんて」
へぇえ。
お釣りのコインをたとえば¥520お渡しするとしたら片手に¥500もう一方の手のひらに¥20を乗せその手をふわっと開くようにお客様の方へ向け、最も大事な、
[満面のスマイル¥0]
とともに差し出すのだと。オシャレな感じ、とその頃は感心したものでした。
ところがこの記事にはフォロワーを多く持つタレントさんを起用して、
「スマイルあげない」
No Smile 宣言とも取れるパブリシティ展開をしたのだそうです。笑顔第一の決まりがアルバイト採用の障害になってきたからだそうです。ダイバーシティの一部でしょうか。確かに強烈にムッツリされるとそのスタッフさんを含めた店舗じたいがイヤになりもするでしょうが、正確にこちらのオーダーをわかってくれてオペレーションさえしてくださるなら無表情だったからといって問題視はしません。そもそも日本国民性はサービスを強要する傾向があります。客を上顧客とそれ以外であからさまに接遇を変えるお商売もあります。そういったもてなしを受けた経験がこれまでなく、これからも期待できないひがみを持っていてさらにそう思います。ところがこれがこの道数十年、や世界有数の…と修飾語のつく人々は仁王像レベルの苦虫かみつぶし顔でも許されるどころかむしろその方が、ありがたみや威厳さえ生まれる不思議。高度な能力を持つ者の特権でしょうか。
反対方向に考えて、やたら口もとを全開にしていて言葉遣いも丁寧。なのにいい気分がしない方。目の表情が上っ面なのです。であるならばもういっそ前述の会社が笑顔無しでも間違いなく接客いたします!と態度堂々で良いと思います。
お客様の中には配膳したり、下膳したりテーブルを拭くそんなわずかなことにも、
「ありがとう。ごちそうさま」
とこちらの目を見てニッコリスマイルを向けてくださる方がたくさんいらっしゃいます。老体でトイレや床の掃除ゴミ出しキッチン作業の手伝い、と小走りに動き回りくたくたヨレヨレの身に春風を受けるようです。日々イヤなことやうんざりがっかりも多々あるでしょうが与えたスマイルで喜んでいる老女がどこかにいることを知っていてください。
コメント