ナミゾウカンパニー 家庭調査部

みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。

テレビのスウィッチをつけると、普段は観ていない昼間のトーク番組の放送中でした。以前在京キー局のアナウンサーだった方がゲストに出ておられ、レギュラーメンバーとの会話をしています。その中のおひとり「山口 もえ」氏がゲストに向かって、個性際立つ声とリズムでこう言いました。

「Nさんはニュースを読まれたことがあったんですか?」

台本がある流れなのかは知りませんが、問われた彼女は一瞬、うっ、と虚を突かれたようでしたが立て直してにこやかに、

「あります、あります。報道番組も担当しました」

と返答。スマートでした。この応答を「澤部 佑」氏が、

「もえさん、ゆっくり刺しますねぇ」と言い、アナウンサーN氏は、

「えぇ、わたしもゆ〜っくり抜きました」と答えていたのです。芸能の世界でのやり取りではありますが、この感じは一般人にもあるなと思って笑えました。

そこで実母です。結婚前に何度か我が家にハミゾウ(後の夫)が立ち寄ることがありました。なんの話の流れだったか覚えていませんが、唐突に、

「ハミゾウさんはいつからその頭になったの?」

と尋ねました。彼は20代後半から頭髪が減少し、わたしと出会った頃の頭部はずいぶん「おさびし山」になっていました。えぇ!!お母さん、何を聞くっ!!とみぞおちが冷える思いになりましたが、ハミゾウ氏、

「そぅっすね、高校の頃にはもうデコでしたね」

と事も無げに答えたのです。デコ、とは額部分が広くなっていくという事だったのでしょう。母は彼の答えを聞いても尚、ハミゾウの頭部を見ていたのです。美容室を経営していた母は純粋に髪の状態や来歴が気になっていたのでしょうが、

「差し支えなかったら聞きたいのだけれど」

もなくズケっと尋ねていました。その母の遺伝子気性を持っているわたしは数年後、ハミゾウと二人ともがよく知る学生時代の歌を歌っている時、似たことをしました。「吉田 拓郎」氏の「結婚しようよ」の歌詞冒頭「ぼくの髪ぃがぁ〜肩まで伸びてぇ〜」とハミゾウが歌った直後、

「えっ、ハミゾウさん。髪、肩まで伸びるの?」

と言い放ってしまいました。

「伸びるわなっ!!」

と返してきた彼の目は普段以上に見開かれていて、怒らせたなと反省をしました。ハミゾウとはカレンダー一年分の日数と同じくらいのケンカを開催してきましたが、わたしが放つ手裏剣を素早くかわす技の持ち主で、得な性分だと感心します。かたやわたしは、押しピン一つでも刺さったままになり、そこを治らない傷にして🩹います。

ハミゾウとアミゾウ(子)が言うわたしの別名「クド井 ネチ子」は言われてまさにその通り、執念深い粘着質だなと薄いながらも自覚はあります。多くの他者と関わりを持てば持つほど、放言をする機会も増えると思い、友人がたくさんいて様々なお出かけができることは羨ましいけれど、それは諦めるのが彼らにとっても最善だと考えるようにしてきました。

爪楊枝、刺しちゃったな・・・・と思い返すだけでも、気づきすらなかった頃に比べれば良しと自己評価しています。

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