ナミゾウカンパニー 新聞部

みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。

日経新聞を愛読しています。初めて朝刊の一部丸ごとを読んだのは20年以上前です。ハミゾウ(オット)が出張先のホテルから持って帰ったものでした。自分で購読することは考えたこともなく、自宅で配達してもらっていた新聞は読売新聞以外の社のものでした。ハミゾウがアンチジャイアンツで、報知新聞なんかとんでもない、読売新聞もダメです、と言うので仕方なく毎日、産経のどちらかを読んでいました。

日経新聞を最終面まで読んでみて、他社との違いがわかりました。社会面の記事もありますが、最終面は「文化」です。舞台、書籍、民俗学、それから最もいいなと思える美術分野の記事が毎日掲載されます。一枚の絵や写真、テーマに沿ったそれらの紹介をしてくれます。そこが他紙と違います。

このこと以上にそれまで読んでいた毎日新聞から替えたいと思った大きな理由があります。

それは半ばにある「女の気持ち」を目にするのがいやになっていたことです。いやなら読まなければよいのですが、家庭面にあり、家事や商品の情報記事があるのでそこは毎日読みたい場所なのです。

なぜ「女の気持ち」欄がいやだったか。その文章の多くが、自分自身からかけ離れた、「善良な」「勤勉な」女性の思いが綴られていたからです。手間をかけた家事、大勢の親族や我が子への慈しみ、目一杯労働をしながら家庭運営もする。倹約節約の知恵とその実践。高学歴であり、かつ社会に出てからも学びつづけ、院を出、博士号も取得。

縁遠い人生だらけです。両親ときょうだいとは不仲、夫と娘とも良好とは言えず、家事と名のつくものは全て嫌い。ようよう短期大学までは出してもらったものの、その後学習はせず、趣味にかける時間も費用も取れない日々が続いています。ほんの短いパートタイム労働さえ長くは勤務できずに退職。友人がとても少なく、無味乾燥に近い来し方でした。

その文を読むと、憧れるもののほとんどが書かれていたり、反発を覚えるほどの自慢とも取れる投稿者さんの充実した毎日が紹介されていました。

今、InstagramやTwitter上での内容についてもおおよそ上記のような内容が投稿され、言いようのない反発心を持っているひとが少なからずいると信じています。

もののとらえかた、考え方は人の数ほどあって当然です。毎日新聞をやめようと思った決定打になった「女の気持ち」の投稿内容は、SMAPさんのヒット曲「らいおんハート」についてのお怒りでした。男子を育てている母であるその方はこの曲の歌詞にある、

「君を守るため そのために生まれてきたんだ」

に噛みついて、

「よその方を守るために子を産んだのではない」

と。驚きすぎてその他の正確な文言は忘れましたが、我が子は我々両親のために産み、育ててきたのであって、他所のお嬢さんを守るためにではない、間違えないでほしい、とずいぶんなお怒りが文面から伺えました。

人のことは言えず、わたしもかなりの狭量で、不寛容に近い考えも持っていますがこれほどはっきりと批判する心の狭さにうんざりしましたし、ここのお子さんは将来親に寄りかかられて困るんだろうな、お気の毒とさえ思いました。

大いに失礼ながら、「他山の石」とこころに留めています。

日経新聞にはこの種類の「女性の自慢話、狭い批判」を取り上げる定期連載がないので今はどの面を読んでも気持ちが平和です。

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