ナミゾウカンパニー 新聞部

みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。

先般開催されたカンヌ映画祭で日本人俳優の役所 広司氏が受賞され祝意でいっぱいです。今朝の日経新聞「このヒト」欄に製作者さんへのインタビューが掲載されています。

以前は記事の文頭から順読みしていました。21年の初夏から全面に関心を持ちたいと思い立ち、それを継続するためには、すべての字を追うのでは間に合わないと気づきました。

それで、リード文を目に入れてから次には文末を読む方式にしています。この記事も最終3行を読んで驚いてから始めに移りました。

製作者さんは東京五輪開催に向け、ホスピタリティのため渋谷の公共トイレ改修を手掛け、次にそれらを気分よく使っていくためには清掃が大事であり、使用者の意識を変えるために「アート」の力が有効だと思いついたそうです。映画制作を願った時から主演者と作品監督を挙げていて、短編構想だったものが長編作品として完成し、やがて主演賞を受けて喝采を浴びたそうです。

裏読みをする底意地の悪さを常に持っていますので、この一連の流れの中に「オールドボーイズクラブ」の事情が介在しているのかもと疑いもします。制作の速さ、国内配給未定が業界の常識から外れているそうで、製作者さんは映画人ではない素人。

制作費3億5千万円を個人資産の管理会社からの拠出、一体彼は、と次を読むと、ファーストリテイリング取締役であり、創業会長の実子なのだそうです。

なーんだ、現代のロイヤルファミリーの一員だからできた偉業かとまたひねくれます。しかし、

「人はみんな違う。ユニクロの服はさまざまな違いに関係なくみんなが買える。トイレもみんな使う。柳井家に生まれなければ発想できなかった」

と語っておられます。創業の父上についてはわたしは嫌いなビジネスパーソンの一人です。いくつも理由がありますが、一つには「冷たさ」です。冷徹で来たからこそ帝国を築き上げられたと思っています。

かなり前のインタビュー記事内で、

「同族経営はしない。世襲はしない」

ときっぱり言い、次にその理由を述べられていましたが、しばらくするとご子息は経営に参画しています。

柳井 康治氏はこれからも低い視点で、その帝国に生まれたからこその、「ノブレスオブリージュ」をどうか続けていってもらいたいと切に望みます。視点を低く持って。

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