ナミゾウカンパニー 新聞部

みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。

初期の印象が変わらないまま固定させてしまっている事物がいくつかあります。「ポーラ化粧品」についても近づいてはいけないし、そもそも縁のないメーカーだと長らく決めつけていました。美容の仕事をしていた時の常連顧客さまが化粧品を愛用しておられ、昭和時代の奥様メイクをしっかり施した状態で毎回来店されました。ごくまれに、髪を整えてから化粧をする順番になることもあり、素顔で来られた時はまさに別人で、若かったわたしはびっくりしすぎて人違いかと思ったほどです。

厳しいお姑さんのおられる自営業に嫁がれ、

「化粧なんぞせんでえぇ。そんな暇に働け」

と、結婚当初に持参した化粧道具一式をすっかり捨てられたのだと、ぼやいておられてそれにも驚きでした。その時の悔しさもあってでしょうか、再び化粧が自由にできるようになってから、ポーラの販売員さんからすすめられるものは片っ端から使って、メイクもかっちりされていったのだと察します。

いかに昭和とはいえ、コッテリしていて、髪の生え際までファンデーションを塗りこんでいるメイク法に違和感があり、ポーラは誰も彼もこんな風に仕上げるのかと決めつけていました。

その後は「shu uemura」を知ってメイクスクールにも通ったため、さらに縁遠いメーカーになっていました。

数年前、「B.A」シリーズや「ホワイトショット」が世に出、全世代に支持される名品が次々に出ています。もちろんそれらのどれも、高価なため使用経験はありません。日本のメーカーとして、存続していくいい会社なのだなくらいでいました。

日経新聞日曜版のインタビュー面に、現在の社長「及川 美紀」氏が登場されていました。経営トップどころか、取締役に女性が少なすぎるとアクティビストから批判される日本企業の中で、堂々とリーダーを務めておられる氏は、「高性能のエンジン」を積み、なおかつ燃費のよいスマートカーのようです。人を自動車に例えてしまい失礼の限りですがそう思えます。

高校時代は喫茶店のアルバイトと家庭教師で稼ぎ、大学時代には早朝の喫茶店、昼間の空き時間に事務職、夜はレストランで働いていたそうです。書いているだけで、「低性能で燃費の悪い」わたしには遠い人です。そもそも働くことが苦になっていなかったのだそうです。

何一つクロスするものはないのだわと読み進めると一つだけ。無類のコーヒーラバーであること。香りが飛ばないものを使うため週に一度豆を買い、社長室でミルを使って挽く。その豆も産地や銘柄にこだわらず、店員さんの勧めてくれるものを買う。すてきです。

毎週このインタビュー欄では登場された方の一言が掲載されます。及川氏の言葉は、

「可能性の扉は 自動ドアではない」

です。いちいちごもっとも。これからもそのエンジンフル稼働で、科学と芸術を融合させたカッコいい「ポーラ製品」を世に出されるのでしょう。

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