みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。
厳しかった冬が過ぎ、しのぎやすい気候に移ってきました。桜花がたくさん観られる季節です。今日は東京都内でも訪れる人の多い、目黒川沿いを散歩しました。
15年も前になります。中学時代に一度だけ同じクラスメートだったモコちゃん(本人の了解を得ていませんが、彼女の愛猫名を仮名にします)に唐突に会いたくなり、連絡をしてみました。快く都合をつけてくれ、行きたいとリクエストしたJR目黒駅から徒歩圏内の「雅叙園」へ連れて行ってもらいました。
季節は黄金週間を過ぎた頃、5月の半ばだったと記憶しています。「雅叙園」の百段階段と日本一豪華なお手洗いを見学して、駅方向と違う方向へ歩いてみると、木々がみずみずしい目黒川沿いへ出ました。川面に緑陰が映り、揺れる葉の間から日光がランダムに動き続ける、その光景がすばらしい。川幅の広い川が近くにある地元に育ち、少し離れた別の川沿いにも桜の名所があって何度も見てきたのに、なぜだか目黒川の風景に珍しさを感じました。この世界を去るまで関西に在住したままなのだろうと、それ以外のことを想像すらしていなかったため、もう観ることはないと思っていました。
思いがけず東京都と埼玉県の境にある町に転居し、そこでの暮らしが仮住まいだとわかっていましたので、都民でいる間に実行できることはしようと決め、いちばんに目黒川へ行きました。3月の三週目に転居し、まともに桜花の時期です。よく調べもせず、どうやら中目黒という駅で下車し、歩いていけるようだくらいのあやふやな情報で行きました。
無知は不幸でもあり、幸いでもあります。あれほどの人波が押し寄せる場所と知っていたならば、落花してからそっと見に行ってもよかったです。桜花の数よりも人間の総数が多いであろう中目黒の桜まつりの時期は、近隣住宅にお住まいの方には嫌なものなのでしょう。一度だけ開催され、その次の年からは中止になった、「青の洞窟」の時期にも行き、文字通り黒とブルーの中を散歩したこともあります。
2020年から21年の春は規制が続き、新名所となったスターバックスのロースタリーTOKYOでの楽しみも減ってしまいました。開店時間を確かめて、整理券の発券機があるところまで行き、近くの公園で待機したこともあります。毎回中目黒駅から行っていたのですが、今日は池尻大橋駅から中目黒方向へ向かってみると、静かで人の流れもゆるやかでした。
予想以上のにぎわいです。天候の回復もあってロースタリーは入店するための順番待ちが多く、その場で待機はつらいと歩き出しながら考えました。都道を行き交う車列を見ているとその中、東急の路線バスが何台も通る。これは乗ってみるとおもしろそうだと急に思いつき、地理がうっすらわかる山手線目黒駅方向へ乗車してみました。渋滞がなければものの10分強で到着する路線のようですが、時刻表通りにはバスは来ず、乗車してからもゆっくり進みました。
目黒駅の東口から2分も歩くことなく、スターバックスの本社があるビルの一階に店舗があります。わたしの好きなマシン、クローバー設置店舗です。その日のコーヒー豆の説明を見せてもらい、いただきました。香りがよく酸味が控えめ、今日も大当たりです。運よく座席も確保でき、ロースタリーの整理番号呼び出しまで、のんびりさせていただきました。コーヒーは嗜好品であり飲まずとも生存できます。ぜいたく品を桜と共に愛でるこの時期がとても好きです。
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