みなさま本日のごきげんはいかがでしょうか。
しばらく韓国制作の配信ドラマ沼のなかにいましたが、2年ほど前から欧米系の作品を楽しんでいます。ロサンゼルス、ニューヨークの英語圏をじっくり観てきて、そのシリーズの日本配信が終わって次を探しているとヨーロッパのものが目に入り、「アストリッドとラファエル」がたいそうおもしろくて大満足中です。フレンチミステリには馴染みがなかったのですが、この作品で現代のパリや郊外が背景に現れるのがうれしくなります。
ところが最近この「アストリッドとラファエル」をはるかに超えるワクワクと脚本のうまさにうなってしまう作品を発見。
「モルガン」これもフレンチミステリですがパリ市内ではなく、ベルギー国境に近い都市が舞台のように思います。ですがもちろんフランス語。一話完結で「エルズベス」のようにかつての名作「刑事コロンボ」の構成で犯罪が最初に容疑者とともに描かれることはなく、細部の観察で霧が晴れていく展開です。
強烈なファッションセンスで動き回る主人公「モルガン」は記憶や観察にまったくと言っていいほど間違いがなく、ジグソーパズルが一分ごとに正確にあるべき場所にはまっていく爽快感があります。それだけではなく登場人物の個性も細かく表現され、さらには老齢期になったからこそわかる機微と、何よりミス モルガンの持つ艶っぽさが素敵です。もともとの知能が高くその上こどもにまつわる事象やドキュメンタリーを一度見聞きするだけでさまざまな事実や情報をインプットできてしまう設定の彼女ならではの苦悩もあることに、ギフテッドと呼ばれる人々の困難を思います。現代アメリカに実在のセレブリティを茶化したり、急にアニメーション画面になったり、と飽きません。どの時代にあっても人が悩んだり恨みを忘れられずに生き続けていたりと普遍な言動を鮮やかに解明していくミス モルガンがずっと幸せでいるといいなと応援したいくらいです。ただし。実際に友人付き合いはとてもできなさそうではあります。
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