ナミゾウカンパニー 書籍部2課

みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。

毎年末が近づくと、各出版社から「年間ミステリーベスト」が発表されます。毎年確認していて、22年分のランキングもじっくり読んで、まず一冊と買いました。

週刊文春の海外1位、

「われら闇より天を見る」   クリス・ウィタカー氏著

を年始から読み始めました。速読はしない傾向ですし、ページ数も500と多く寒い時期の楽しみだと思っていました。とても時間がかかり1ヶ月を要しました。予想以上に時間を要したのには訳があり、苦しくて何度も中断したためです。読了後の感想はひとつの言葉で言えます。「重かった。」です。近年は海外ドラマをよく観ますので、彼の地で社会問題になっていることのいくつかはフィクションを通して知ってはいますが、幼いこども、しかも姉弟がほんろうされて時間が過ぎていくことがきつく、つらい読書時間でした。

エンターテインメントではなく起きている事実と感情、そのねじれをしっかり組み合わせた長編を読みたい方にはとてもいい作品であると思います。わたしにはつらく、苦しい読書体験で、海外ドラマを観過ぎたせいか、悲観が先に立つ気性のためか、物語の先に明るさを見出せずにいます。

しかしながら、知らないです知りたくないです、どうでもいいです、で終わることなくフィクションの力を使う方法は有効だと思います。誰もが持つ邪悪が、姉弟の成長していく先にどうかあらわれずに幸せなままこの世界を生き切ってほしいと強く願いました。

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