ナミゾウカンパニー 書籍部2課

みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。

翻訳小説が好きで細かい言い回しも知りたく、できれば原著で読みたいなと思うくらい海外の文化に興味津々です。飽きっぽい性分のためか、日本文化や自然の良さを愛してはいるのですが、なんだかそればっかりの毎日がいやで、だからといってひんぱんに海外生活ができませんので、ドラマや出版物にできるだけ触れたいと思っています。

今もY.Aとカテゴライズされているのかは未確認ですが、ティーンエイジャー向けの小説も好きです。

ミステリーベストランキング紹介で知った作品です。

「自由研究には向かない殺人」    ホリー・ジャクソン氏著

女子高校生が主人公です。自由研究、と殺人とおよそ両極に位置しそうなモチーフを使い、みごとに融和させていくすばらしい作品です。数年前に夢中で観ていた、ベネディクト・カンバーバッチさん主演のドラマ、「シャーロック」のごとくクラシックとハイテクノロジーが同時に存在しながら、古来から変わらない人間行動を解き明かしていきます。10代の少年少女だったことがあるひとなら、わかる部分の多いやりとりが描かれ、人が亡くなっていることを除けば、登場人物たちの行動や発言には全否定できない箇所がたくさんあります。

「なぜそこで隠す、なぜ思いとどまらないのだ!」と読みながら問いかけ、長編ながらエンディングまですいすい乗っていけます。後悔の全くない人生をこれまで送ってきました、と断固言える少数派の方々は横に置き、間違い経験を記憶に持ちながらこれからも生きていかねばなりません、多くの人は。か細い声でもいいので、それらの間違いを誰かに伝える手段が小説であり映像作品だと信じています。ダイレクトに正論をまくしたてられると、わたしのようなはねっかえり勢は反発し、最後まで聞こうとしません。が、なぜかフィクションの中で、ゆっくり教えてもらったことは長く教訓として残ります。「北風と太陽」ですね。

これからも著作が楽しみな作家さんに巡り会えました。できればご本人を拝見したいものですが、国内作家さんではないので新刊刊行時のトークショーもなさそうです。近年はYouTube配信でそういうものもあるでしょうか。鋭意探してみます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました