ナミゾウカンパニー 食堂部

皆様本日のご機嫌はいかがでしょうか。

先日、以前から一度伺ってみたかったレストランへ突然行く機会ができました。家庭を持つまでずっと住んでいた地元の一学年上に当たる先輩が営んでおられます。和牛専門の多彩な料理です。実家の町内にある商店街で長くお肉を販売しておられ、わたしが家のお使いで買い物に行くと、「ナミゾウさん家。」とアルバイトさんに伝えて、奥の業務用大型冷蔵庫から出してきた牛肉を用意してくれるのです。しかし、持たされた財布の中身と折り合わないように思えて困ることもありました。通常のショーケースに並ぶ「並」の牛肉を買って戻るつもりがかなりの出費になり、それでも先輩がわざわざ出してくれるのだからと、言われるままのお支払いをして帰宅。と、母が怒るのです。「今日はそんな高級なお肉じゃなくてよかったのに…..。」と。

しかしです。さすが、絶品なんです。「やっぱり美味しいよね。」と笑顔になってしまう。両親ともにいい魚の味を知る大人でしたが、所帯を持ってしばらくして越してきたその町に品質のいい和牛を売ってくれる商店があることをありがたがっていました。

自分の家庭を持ち、料理をするようになって初めて親達がいかに美味しい牛肉を食べさせてくれていたかがわかりました。スーパーで手に入るものが特別よくないはずもないのですが、価格相当の味です。やわらかさと滋味があるものはやはり、気張って買うものです。

そのレストランでワインを見かけました。セオリーとして牛肉と赤ワインと言われますが、白でもロゼでもオレンジでも違和はないと思っています。ワインについては全く知識がなく、良いものを知ったのはつい最近のことで、もう60歳に近い頃です。友人がワイン好きで、デパートのワイン友の会でまとめ買いをしているのだと言う。高価すぎないおすすめ銘柄を教えてもらったのが、ワイン沼に足を取られる今に至る始まりです。彼女が何気なくいいよと言った、ワイン輸入商社「モンテ物産」の扱う「ベルターニ(ワイナリー)」製「アマローネ」を飲んでうなりました。赤は重い渋い、喉に残る、その印象しかなかったのに、「アマローネ」は違う。もちろん白の「水感覚」とは違うけれど、するする飲んでしまいます。

家計第一、毎日の晩酌は夫婦揃ってしません。できません。だからこそ、時々買うなら「アマローネ」だなと決め数ヶ月に一回、自分の誕生月に一回といただくようにしました。その「アマローネ」にはグレードの高いものがあり、モンテ物産さんのアンテナショップに行くと奥の貯蔵ケースにあるものを見せてくれるのですが、一度その価格を聞いただけで「ダメだ。」と断念。それでも常温棚のものでも軽く¥7000を超えます。現在はまた諸物価上昇と運輸コストも乗り、さらに上がっていると思います。美味しい、実に爽やかな赤です。

若い頃に知った良い和牛の味、遅ればせながら知った赤ワインの美味しさ。メイミヤ(冥土の土産)がまた増えてしまいました。

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