ナミゾウカンパニー 食堂部

みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。

「食わず嫌い選手権」が開催されたなら、本戦出場は確実にできる自信があると過去に書きました。現代日本人の日常食のひとつ、「カレー」についても狭い範囲のカレールーを使った辛さのほとんどないものしか食べられない舌なのだと何故か決めつけていました。

友人が激辛カレー好きで、わたしの苦手を知った上でマイルドな一皿を出してくれるお店に連れて行ってくれました。もちろん彼女はメニューの中でもスパイスが強いものをオーダーします。始めは恐る恐る、こどもみたいにそーっとルーを口にしていましたが、老化のせいか年々平気になっていきました。

一度その扉の向こうに行ってみると挑戦したくなり、カレー専門店を見かけると入ってみるようになり、「なんだ、問題ないじゃん」と以前の弱気はどこへやら、調子に乗り始めました。

東京の表参道駅近くに、イタリアワインの輸入商社がアンテナショップを開いていて、そこへ行く日は当時の住まいからはJRが最寄りでしたので、渋谷駅からてくてく歩くことにしていました。宮益坂を上がって行くと左手にさまざまなお店の看板やディスプレイが見えます。その中にやたらクネクネした筆字と思われる文章で、「あなたの記憶に残るカレー」うーーーん。言い切ってるけど、字が気になる。それからそのお店に入るためにはビルの細い通路を進んで、右手に見えた入り口もなかなか現代美術感があります。ランチタイムならば大抵のところへは平気でソロ活動ができますが、さすがにこの入り口の向こうへは勇気が出ず、通り過ぎるだけでした。日没後は看板にライトがともり、それがまた色彩とデザインがシュールです。ますます、失礼ながら「いかがわしさ」を感じ、さらに足は向きませんでした。

その後、アミゾウ(子)の友人で育ちの良いしっかりしたお嬢様が、

「とにかく一回食べてみてごらん、何も聞かずに。」

と勧めてきました。アミゾウもひとり参戦はこわく、母を誘ってくる。あの変わった看板のカレー屋さんかとためらいましたが、そのお友達がおかしなところを推すはずもないと行ってみました。

大当たりです。ランチタイムはビュフェシステムになり、ほうれん草カレールーもありますし、サイドメニューもお皿に乗ればいただけます。ライスに名前があり「前田ライス」。前田氏作成なのか、米の銘柄が前田、なのかそれは未だ不明です。たぶん細めなのでメークイン種と思うのですが、蒸したじゃがいもも料金内でお一人様2個食べられます。これがまた、絶妙なふかし加減で美味なのです。先日はカレー自体をハーフサイズにして、「マサラポテト」をいただきました。マサラソースがアミアミにかかっています。やはりお芋自体が美味しいのでしょう。

このお店は、

「もうやんカレー」

です。もうやん、この言葉も平素は会話に使わない単語で、誰かの通り名でもそうそうなさそうです。ですから味は言うまでもなく、店名からして「記憶に残る」カレーショップです。わたしと同じくスパイス辛いものが大の苦手なアミゾウはなんとそれから、「もうやんカレー」の都内店舗のほとんどに行ったそうです。大好物のアボカドをドンと乗せ、じゃがいもを食べて満足のようです。

自ら勇気を出して新しくお店を知っていくことは大事ですが、やはり持つべきものは良き友人知人です。ありがとう、ミコ姫、ありがとう「もうやんカレー」のみなさま。

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