ナミゾウカンパニー 映像部1課

国営放送の「大奥」第一シーズンが完結し、続編もたのしみに待つ今は、同じく国営の大河ドラマ世界にひたっています。主演俳優の松本 潤氏には特に思い入れもなく、当初発表された他キャストにも興味はおきませんでした。話が進むうち、服部 半蔵役で山田 孝之氏が出演してからは、おやこれは脱線路線へ行くようだと俄然楽しくなりました。

彼は若い頃から活躍されています。出演作がたくさんある才能ある俳優さんだとは知っていました。しかし犯罪ものや性格のこじれた演技をしている作品を見るのがつらく全部を通して観た作品は少ないです。

ずいぶん前です。偶然観始めたテレビ東京の「勇者 ヨシヒコ」シリーズに引き込まれ、録画を繰り返し観ていました。本人が一切笑わずに、こちらがその気の抜け方に笑わされることが愉快でした。その「ヨシヒコ」シリーズで山田氏と旅をする一行に、ムロツヨシ氏も配役されていたのです。今期の「どうする 家康」の木下 藤吉郎、つまり後の太閤秀吉を彼が演じることがわかり、クセ者が揃ってきたなと思います。武田 信玄を重々しく演じる阿部 寛氏もまた、テレビ朝日系で「TRICK」シリーズのズレズレな教授役が鮮烈でしたが、実父とのわだかまりのある刑事や、特殊な職業、町工場の主、どれを演じても人物造形にすんなり乗っていく人で安心します。

では間の抜けた演技ばかりに注目しているかといえばそうではなく、これまた約20年前のドラマ「女王の教室」でしっかり演じていた志田 未来さんがキーパーソンになった回にずいぶん泣きました。時間が進むにつれ、悲劇を予測しながらもこの配役にこれほどキャリアを持つ彼女を当ててくるのはなぜだろうと思っていたら、終盤に謎は解けます。自分の持つ思いが相手に通じる事のない状況でも、恐れず伝える。ひたむきさを正面から笑う人は少ないはずです。そのような無名の人々が守ったり壊したりの繰り返しを「歴史」と名づけていいと思います。

この先の展開や収拾に興味が尽きません。

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