ナミゾウカンパニー 映像部2課

みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。

劇場公開の映画鑑賞をしました。題名は「パリタクシー」。舞台はフランスですが、多くの国で似通った経験をされた方々がいると思うので、小さな「Me Too」の声が上がっていることでしょう。

女性に生まれることを選べないし、その最初の場所も自己決定できません。他者の自尊心と、自由を考慮してくれない環境はとてもつらいものです。この映画の中心人物は女性であり、男性を愛し、出産したこどもを愛し、そのどちらにも大きな間違いはなかったのに、苦しい立場に置かれます。公開前の作品紹介からは、コアにある残酷さがあることがうかがえず、好きなパリの街並みが観られるとだけ思って観始めました。

中心人物のもうひとり、男性タクシードライバーの生活は楽ではなく、彼もまた「怒り」をたくさん心に抱えています。ですがやはり、乗客の女性同様、妻を愛し、娘をいつくしんで暮らしています。

以前マナーを教えるコラムで、

「怒っている人は、困っている人」

と読んだことがあります。すぱっとわかる人間社会の真理だと納得し、以後自分自身が愚痴を言い続けたり、世間で起きていることに激しく怒りを覚えたりする時思い出して、できるだけ暴走しないようストッパーの言葉として忘れずにいます。

この映画の彼女と彼は、困ってしまいひとりでは逃げ出せない現実の中にいて、怒りが湧いてしまいます。そこからどうエスケープしたのかが物語です。フィクションではありますが、寓話としてとても佳い作品です。

20代の頃に2回、30代で1回、その後8年前に訪れて、とても好きになったパリの街の映像を観ながら涙活もでき、素敵な現実逃避の90分でした。

製作者、配給の方々や劇場スタッフのみなさん、ありがとうございました。

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