ナミゾウカンパニー セカンドプレイス部-10

みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。

セカンドプレイス作りのために家庭以外の場を持ちたいと思いついてアルバイトの募集に応募しました。しかしそれは建前であるのが事実です。

わたし自身が受給できる年金という社会保障金は終身その権利があります。しかし、「消えた年金問題」の問題が明らかになって以後、定期便という名のお便りが届き、その内容を読んで脳が一気に冷え、青くなりました。もちろん自身が供出した額が恐ろしく少ないのですから当然です。

さらにお便りが届き始めたその頃はまだ、借り入れをして住んでいた住宅の返済がとても厳しくあっぷあっぷの日々でもありました。ハミゾウ(夫)は事も無げに、

「今は妻も働いてんのが普通やで」

と言い放ち、ローン返済のためには妻も目一杯稼ぐべきと言われたわけです。アミゾウ(子)が小学2年生の終わりから、いくつか働く場所を求めて採用してもらってきました。ハミゾウが在宅時にしていたことは箸を持つこととチェーンスモークすることだけでした。つまり家事運営はそのままわたしが担い、外で気を張って働いていました。

みずからがバイアスをかけていたと思い返します。洗濯、食事片付け、は変わらずにすべきと。在宅時間が他へ取られているのですから、物理として、物は動かせず、水回りは汚れていき、食事の支度時間も減っていきました。再び家庭外での仕事をし始めた今もそうですが、一番嫌なことが「帰宅したくない」気分が強くなっていくことでした。

短時間労働であっても通勤や支度時間も含めると1日の多くが過ぎていったのち、家のドアを開けるとまずはタバコの猛烈な臭さに迎えられ、テーブル上に散らかったままの新聞や皿が散乱したままハミゾウが大音量でテレビを🔛にしたままいびきを立てて寝ています。これが毎回です。汚い家に帰るのが本当に嫌でした。

出したものを片付けて欲しいと要望を言いました。こちらも疲れているし、良くない体内数値もあるのだから、仇のように喫煙するのも減らしてもらいたいともお願いをしました。

散らかっていても気にならないし、喫煙は法律で禁じられてもいないのだから、タバコ代が値上がりしても禁煙しないと彼の考えが展開されました。何度もケンカです。わたしとアミゾウと3名で食事をし、早食いのハミゾウは大抵一番乗りで終えます。箸を置くとすぐに着火喫煙が始まり、その煙を吸いながら我々二人が食べ続けねばならず、とうとうせめて残りの二人が終わるまで待てないかと頼んだところ、かなり不機嫌になりながらもしぶしぶ同意してくれました。それでもわたしが喋ったり話しかけたりすると、さらにイライラし出すのがわかり、

「済んだ?まだ?」

と言われてもいました。その気質のハミゾウに家事の分担をしてもらわないと働いていくのがつらいと、訴えてもなかなか動いてはもらえませんでした。

年月が経ち、彼が病を得てしまってから更なる言い合いをしたのちの今、喫煙は止めてくれ、ゴミをまとめたり、洗濯から乾燥までコースの洗濯作業さえもできる夫に変化してくれました。

食材を買ってきて調理する、クリーナーを出して掃除をする、その上級コースまでの道のりは未だ遠いですが、じわじわ実力をつけてもらいたいものです。

家庭を持ってから正規長時間労働者になれたことがないのですが、データ管理会社の後方事務のパートタイム勤務をしていた時の職場は女性上司が多く、いつも知りたかったことが、1日の、一週間の行動内容でした。ミスを出さないように手際の良い同僚についていくことが精一杯で、退職までに上司には近づけませんで、ついに聞けずに終わりました。正社員どうしで立ち話をしている横を通りかかった時にわずかに聞こえたのが駅名で、持っていた書類を取り落としそうになったこともあります。その職場は最寄駅は各駅停車のみが止まり、そこからさらに20分歩きます。彼女が口にしていた駅からその駅までと、徒歩所要時間を加算すると、8:30の始業前に到着するために何時に家を出ているのだろうと想像したのです。

関東圏にお客様がいるハミゾウに言わせると、通勤一時間は良くあるパターンで、2時間かけて往復の人もいてるで、とのことですので、あの上司としてもいちにちの時間の多くを通勤に充てているのも驚くことではないのだなとわかりました。それにしても24の数字から勤務と通勤の時間をひき、さらに自分自身の身の始末時間も差し引いていくとどうやって家事を進めているのだろうと考えていました。大車輪で、と言うは易し行うは難し。

こういうぬるいことをあれこれ思い巡らすだけなのがわたしで、多くを稼ぐこともできず、従って自分の年金額は低い有様です。働く家庭人はみなさん超能力者です。

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