ナミゾウカンパニー セカンドプレイス部-16

みなさま本日のご機嫌はいかがでしょうか。

7月の第一週目から働き始めて、4ヶ月が経過しました。ようやく用具の在処と初歩の共通言語を覚えることができ、先輩スタッフとも会話ができるまでになってきていました。

多分店舗の1日の中で最も混雑する時間帯に勤務していますので、当然仕事量も多く、また指示される作業にも10時台以上に速さと正確さを求められます。11月2日。この日も連休直前だったこともあるのでしょう、かなりオーダーが集中していました。水ものの用意や冷却用の氷を運んだり、徐々に疲れが強くなってきていたところに、

「倉庫にある在庫飲料をとってきてください」

と先輩スタッフから言われてバックヤードへ行き、棚を見渡すと最上段にそれが見えました。何度か使ったはずの低い踏み台がいつもある場所に見当たらず、探しても見えるところにはありません。時間が過ぎていくことにそわそわし、通りかかったスタッフの一人に知っているかを聞くと、奥にあるでしょ、とのこと。ありました。一番奥に。しかしそれは低めの踏み台ではなく、脚立でした。これを使うんだ、と疑問なくそれを開いて上がっていき、在庫品を両手で持ちゆっくりと降りていきました。

ここからは地面にいるのがわかった時まで、以後何度思い返そうとしても記憶がありません。脚立の最後の一段を地面と思い違いをし、バランスが崩れて転倒していました。箱を両手で持ったまま、後頭部を打ったことと、尻から強く落ちたことだけ自覚したのです。食品は地面に落とすのも、置くことも厳禁と、オリエンテーション時に指導されていました。ですから箱を持った手を離さず、従って手を使えず体ごと転倒したのだと想像します。

在庫品を持ってキッチンへ戻り、今日の勤務時間は残り1時間だから粘ろうと作業を続けましたが、痛みが強くなってきたので、マネージャーに申し出て、早退しました。休憩室に店長と先輩方が何名かおられ、怪我した事実を言うと、

「頭を打った自覚があるんなら、病院へ行って。頭の検査はしておいた方がいいよ」

と勧められ、頭部CT検査のできる病院を探し、検査したところ今は異常が見られないという所見でした。頭部CTを再々検査もしないから、と担当医にこの際聞いてみようと、

「脳の萎縮状態が進んでいるかはわからないものでしょうか」

と尋ねてみました。担当医は若いかたで、一刻虚を突かれたような表情をされましたが答えてくれました。

「今日の画像を見る限り明らかなところはありませんよ。ですが、認知機能低下に関してはCTで判断できないんです。」

余計な質問をしてしまい申し訳ありませんでしたと伝えて診察室を後にしました。

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